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法令:休業手当

使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合は、使用者は休業期間中労働者に、平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければなりません。ただし、休業手当は天災事変等の不可抗力の場合の休業には使用者の責に帰すべき事由に当たらず、使用者に支払義務はありません。休業手当は賃金ですので、賃金支払の5原則(通貨払の原則、直接払の原則、全額払の原則、毎月一回以上払の原則、一定期日払の原則)が適用されます。

 

【使用者の責に帰すべき事由】

(1) 会社の経営不振
(2) 親会社の経営難から、下請工場が資材、資金を獲得できず休業
(3) 原材料の不足による休業
(4) 監督官庁の勧告による操業停止
(5) 会社の設備、工場の機械の不備・欠陥による休業

 

【使用者の責に帰すべき事由にあたらない】

(1)天変地異など不可抗力による休業
(2)労働安全衛生法の健康診断の結果に基づいて休業させた場合
(3)代休付与命令による休業
(4)鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ等による休業
(5)計画停電によって、停電時間中の休業

 

【休業が一労働日に満たない場合】
休業が所定労働時間の短い日であっても、平均賃金の100分の60以上を支払わなければなりません。例えば、労働者が労働した分が平均賃金の100分の60に満たない場合はその差額を休業手当として支払わなければならない。

 

【民法と労働基準法】
民法536条の2項では債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならないと規定されています。
労働基準法が平均賃金の6割補償であるのに対し、民法では全額補償となります。ただし、民法第536条の規定(全額請求が可能)は、当事者の合意により、その適用を排除することができます。一方、労働基準法の規定(6割以上の請求が可能)は、当事者の合意によりその適用を排除することはできませんので、最低、平均賃金の6割は保障されことになります。
また、「使用者の責に帰すべき事由」の範囲に違いがあり、労働基準法の方が民法より広く、「企業経営者として不可抗力を主張しえない一切の事由」を含みます。民法の「故意・過失または信義則上これと同視すべき事由」に限られず、労働基準法の範囲は、「使用者側に起因する経営・管理上の障害」を広く含むと考えられています(最高裁昭和62.7.17 ノース・ウエスト航空事件)。