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Q&A:退職予定者の賞与の減額

当社の従業員から賞与支給日の翌日に退職したいとの申出がありました。当社としましては退職する従業員に対して賞与を減額又は不支給にしようと考えております。会社の裁量で賞与は支給しなくても大丈夫ですよね。

賞与は就業規則等に具体的な定めがない限りは、必ずしも支給しなければならないものではありません。賞与を支給するかしないか、または誰に、いくら支給するといったことは、原則として会社が自由に決めることができます。

賞与には、一般的には大別すると次の3つの性質に分けられます。

(1)賃金の後払い的性質
(2)将来への貢献に対する性質
(3)収益・業績を配分する性質

このように、会社によって賞与の役割は異なります。
では、質問にあるように実際に賞与を減額又は不支給にできるか否かですが、減額又は不支給にするには合理的な理由が必要となります。過去の判例で退職予定者の賞与の減額については争われた判例があります。退職予定者に対して、非退職予定者とは別の計算方法で支給することを規程に定め、非退職予定者の賞与額に比べ82%」も賞与を減額することについて争われました(ベネッセコーポレーション事件 東京地裁 平成8年6.28判決)
この判決では「退職予定がある場合など、将来に対する期待の程度の差に応じて、退職予定者と非退職予定者の賞与額に差を設けること自体は不合理ではない」としながらも、「過去の賃金とは関係のない純粋の将来に対する期待部分が、被告と同一時期に中途入社し同一の基礎額を受給していて年内に退職する予定のない者がいた場合に、その者に対する支給額のうちの82パーセント余の部分を占めるものとするのは、いかに在社期間が短い立場の者についてのこととはいえ、肯認できない」とし、「賞与制度の趣旨を阻害するものであり、無効である」としました。結果、賞与支給予定額の2割の減額までしか認めませんでした。
今後、退職予定者の賞与の減額を制度化する場合には「退職予定者に賞与を減額する」、「将来の会社への貢献度をもって・・・」等の文面を追加する必要があります。ただし、減額をできたとしても最大2割程度の減額幅となります。