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Q&A:退職時の年休の買上げ

従業員から退職届もだされ1週間後に退職予定です。この従業員から退職時に残っている年給の買い上げを要求されました。年休は必ず買い取らなければならないのでしょうか?

原則として年休は休日とは別に、一定の日数の賃金を保障された休暇の権利ですので、買い上げすることは禁止されています。ただし、退職時に年次有給休暇を買い取ることは禁止されておりません。質問にありますように必ず買い取る必要があるのかという問題ですが、買い取ることは禁止されておりませんが、義務ではありません。あくまで会社と本人との話し合いによって決定されます。行政通達によると法定日数を超える部分の年休、時効や退職によって消滅した年休については、法の規制に抵触しないため、買い上げることは禁止されておりません。 ただし退職日までに年次有給休暇の残日数を取得することができず、退職により年次有給休暇を利用する権利が消滅してしまう場合には、残日数に応じて賃金を支給する=買い取ることは、事前に買い上げるものと異なるとされ、法律に違反するものではありません。なお、買取金額については法的な基準は設けられていません。 通常時の年次有給休暇を取得した際に支払われる賃金額については労働基準法で 1.所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金 2.労働基準法で定める平均賃金 3.健康保険法で定める標準報酬日額に相当する金額 のいずれかとされております。一般的には1.の所定労働時間労働した場合の賃金額相当が基準に支払われている会社が多いようです。退職時の有給の買取金額については法的な基準は設けられておりませんので、上記の基準を下回って金額であっても問題はありません。 【法定日数分を超える部分の休暇日数】 労働基準法の定める付与日数を上回る年次有給休暇の日数については、就業規則等で、買い上げる旨の規定を設けても、違法とはなりません。 【時効によって消滅した休暇日数】 年次有給休暇は請求しなかった場合、2年でその権利は消滅します。時効で消滅した年次有給休暇を恩恵的に買い上げることは違反にはなりません。 【退職・解雇により消滅した日数】 退職や解雇によって退職する者の年次有給休暇が、退職日に未取得のまま残っている場合には、その残りの日数を買い上げても必ずしも違法とはなりません。年次有給休暇は、本来労働すべき日に労働義務を免除するものですから、退職後にはその権利を行使する余地がなくなるからです。