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Q&A:従業員が退職の意思の取り消しを申し出てきました。受け入れなければならないでしょうか。

退職届を人事部長に提出した従業員が、退職予定日の直前に「気が変わったので退職を撤回したい。」と申し出てきました。社内では、他の従業員に業務の引継ぎ時間をとるなど、退職に向けて準備してきたこともあり、「何をいまさら。」という雰囲気があります。でもそもそも本人が申し出た退職なので、その意思が無くなれば受け入れるものではないか、とも思えます。法的に定めはあるのでしょうか。

退職には、従業員が申し出て会社が承認するという合意退職と、会社の承認によらず、従業員一方の意思による辞職(退職)があります。
前者の合意退職は「依願退職」などがこれに当たります。この場合、退職願がだされ、会社が承認するというプロセスで退職が確定するため、会社が承認するまでは、撤回をすることができると解釈されています。
ご質問の場合は後者にあたり、退職の意思が会社に到達した時点で退職が成立し、撤回は出来なくなると解釈されています。なお、会社に到達するというのは、退職届が人事権の有無がある者に届いた時点となります。
よって今回は、既に人事部長という人事権のある人物の手元に退職届が届いて退職が成立しているため、撤回を受け入れる必要はありません。

例外として、次のような場合は退職の意思表示が無効となったケースがあります。
①詐欺や強迫により退職届を出した場合
②自ら退職しなければ解雇されるのでは?と勘違いして退職届を提出した場合
③心身耗弱状態下で退職届を出した場合
④会社が従業員に退職する意思がないことを知っていた場合